母がくれた文旦をなんとかせねばと台所で剥いていると手元から柑橘の匂い、外からは風にのって藤の花の匂いがした。
主に二種類、ヨーグルトやサラダに入れる用のもろもろになったものと、綺麗に剥けたものはそのまま冷凍してシャーベットに。数あるだけに手間がかかる。この冬、私の母は大量の柚子をジャムにする為に毎晩柑橘類の皮を剥いていた。山盛り。
良く娘は料理の真似で台所に立ちたがるが、いつも急いでいるので休日以外は追い出してしまうこともあり申し訳ないなとも感じるのだ。
子供は好奇心を持って台所に立つ。
しかし、親は手間がかかる作業を子のために愛を持って台所に立つ。
こんな手間のかかることを母がしてくれていたんだなと改めて思うと共に、
押し付けるつもりはないが娘もいつか愛を持って台所に立ち、わたしを思ってくれる日が来るだろうか…
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